コップは、江戸時代にポルトガル語の「copo」で入り、その後、オランダ語の「kop」も入った。
「copo」も「kop」も、ラテン語の「cūpa」が語源である。
元々は、ワイングラスのような脚付きの杯を指したが、脚のない円筒状のものを「コップ」と呼ぶようになっていった。
同じく「cūpa」に由来する英語の「cup(カップ)」が入ったのは明治時代のことで、コップはそのままの意味で使われ、カップは「コーヒーカップ」など、陶器製や取っ手付きのものを指すようになった。
英語「glass(グラス)」が入ったのも明治のことである。
コップの漢字表記には「洋盃」のほか、洋杯・洋盞・洋壺・酒杯・酒盃・高脚酒盞・高脚杯・玻璃杯・玻璃盞・玻璃碗など、さまざまな字が当てられている。
杯・盃・盞は「さかずき」を表す漢字なので、コップが酒器として認識されていたことが伺え、高脚酒盞や高脚杯では、コップがワイングラスのような脚付きのものを指していたこが分かる。
玻璃杯・玻璃盞・玻璃碗などの「玻璃」は、ガラスの異称である。