クジラの語源・由来

歴史的仮名遣いには「クヂラ」と「クジラ」があり、どちらが先か分かっていないため、クジラの語源には多くの説がある。
元々「クジラ」であった場合は、背が黒く腹は白いことから、「クラシラ(黒白)」が転じたとする説が有力。
原形が「クヂラ」であった場合は、「クチ(口)」+「ナ(魚)」の「クチナ」に由来する説で、「ナ」が「ラ」に変化することは多く、クジラを「クジナ」と呼ぶ地域もあることから有力である。

その他、「ク」が「大」を意味する古韓語、「シシ」は「獣」、「ラ」は接尾語で、「クシシラ(大獣)」の約とする説。
ヒゲクジラ類に見られる鯨鬚(くじらひげ)が、巨大な櫛のように見えることから、「クシナ(櫛魚)」の変化とする説。
クジラは口が大きいので、「クチビロ(口広)」の約転などの説がある。

漢字の「鯨」が魚編なのは、古来、哺乳類ではなく魚の一種と思われていたからである。
つくりの「京」は、数の単位の「京(兆の1万倍、10の16乗)」で、計り知れない大きさを表したとも言われるが、「京」の漢字には「大きい」「高い」「丘」などの意味があり、「高丘のように巨大な魚」を表すために「京」が使われたとする説が妥当であろう。

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