けしかけるの語源・由来

けしかけるは室町時代から見られる語で、この頃は、犬などを相手に向かわせる意味のみであった。
「けし」は犬を煽り立てる時の掛け声「けしけし」で、その声をかけて相手に向かわせることを「けしかける」と言った。
人を煽動する意味で「けしかける」と使うようになったのは、江戸時代からである。

江戸時代の国語辞書『俚言集覧』には、「シキシキ」という犬を励ます言葉があることから、「行け行け」の意味で「シキシキ」や「シケシケ」と言っていたものが、転倒して「けしけし」となり、「けしかける」の語が生じたともいわれる。
「けしけし」の掛け声も「行け行け」の意味で使われていたと思われるが、文献上は「けしかける」よりも遅くに「シキシキ」が登場するため、「けしかける(けしけし)」と「シキシキ」の関係は定かではない。

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