アユの語源・由来

アユは産卵で川を下る姿から、「こぼれ落ちる」「滴り落ちる」という意味の「あゆる(零る)」が語源とされることが多い。
しかし、アユが川を下る姿はさほど印象的ではなく、「アユ」という音から近い言葉を探し、うまく意味が当てはめられただけと思われる。
アユの語源は上記のほか諸説あるが、非常に素早く動き矢のようであることから、アイヌ語で「矢」を意味する「アイ(ay)」が転じたものであろう。

漢字の「鮎」は、神功皇后がアユを釣って征韓の戦いを占ったことから「占魚」と当てたものである。
アユは縄張りを持つ魚なので、「占拠」「独占」の意味で「占」が使われたとも言われるが有力とはされていない。
中国でも「鮎」の漢字は使われているが、「魚」+「占(粘りつく)」からなる文字で「ナマズ」を指す。
「鮎」の漢字が中国から入り、ナマズの誤用でアユに変化したわけではないため、国字として扱うか論争になることも多い。
アユの漢字は「鮎」のほか、一年魚であることから「年魚」、きゅうりのような香りがすることから「香魚」とも書かれる。

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