馬鈴薯の語源・由来

本草学者の小野蘭山が『耋筵小牘』(1808年)の中で、馬鈴薯をジャガイモ(当時の呼称はジャガタライモ)として解説したことから、ジャガイモは「馬鈴薯」と呼ばれるようになった。
「馬鈴薯」は中国語に由来する言葉で、中国の『松渓県志』(1700年)に「馬鈴薯は、葉は樹によって生ず。これを掘り穫れば、形に大小ありてほぼ鈴の如し。色は黒く、丸く、味は苦甘し」とある。
『松渓県志』で解説されている「馬鈴薯」は、マメ科のホドイモのことであった。
それを小野蘭山がジャガイモと誤解して紹介したもので、馬鈴薯とジャガイモは異なるものであったという指摘がある。
しかし、1800年頃の中国ではジャガイモも「馬鈴薯」と呼んでいるため、ホドイモと勘違いしたわけではなかったとの見方もある。

馬鈴薯の語源には、馬に付ける鈴に似た形の薯(いも)からとする説と、マレー半島の薯のこととする説がある。
『松渓県志』の中でも「鈴の如し」とあるように、地下で鈴なりに生った塊茎を馬の鈴に見立てた説が有力である。

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