アジトは、英語「agitating point(アジテーティング・ポイント)」、また、ロシア語の「агитпункт(アギトプンクト)」の略。
社会運動で、演説などによって大衆を扇動し、反体制的な行動に仕向けることを「アジテーション(agitation)」と言う。
1920~50年代(特に1930年代)は、「アジテーション」を略して「アジ」と言い、「アジ」を動詞化して「アジる」などと言った。
「アジ」や「アジる」の語が消滅していったのに対し、同じ語系の「アジト」が現在でも使われるのは、扇動という行為に関わらず、指令部や集会所、隠れ家といった広い意味で用いられるようになったためである。