濡れた手で穀物の粟(あわ)を掴むと、粟粒がいっぱいくっついて沢山掴める。
そのことから、苦労せずに多くの利益を得ることを「濡れ手で粟」というようになった。
「濡れ手に粟」という表現も、一部の辞書では認められている。
しかし、粟は自ら濡れた手で掴むものである。
「濡れ手で粟」を「濡れ手に粟」にすると、偶然、濡れている手に粟が沢山ついたという、「棚から牡丹餅」のような意味となってしまうため、本来は誤りである。
なお、「濡れ手で泡(濡れ手に泡)」と書き、いくら努力をしても実らないことのたとえとするのは、完全な誤用である。