「遺伝子」「DNA」「ゲノム」の違い

遺伝子のことを「DNA」ということも多いが、厳密には違うもので、遺伝子を「DNA」と呼ぶのは俗な言い方である。

DNAは「deoxyribonucleic acid」の略称。
日本語では「デオキシリボ核酸」といい、デオキシリボースという物質を含む核酸という意味である。
五炭糖の一種デオキシリボースとリン酸、塩基が結合してできているのがDNAで、塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類ある。
この塩基配列が遺伝情報となっているのだが、塩基配列には遺伝情報を持っている部分と持っていない部分がある。
遺伝情報を持っている領域が「遺伝子」。つまり、遺伝子はDNAの一部の領域のことである。
DNAに含まれる全情報のうち、遺伝子の部分は1.5%ほどしかない。

ゲノムは「gene(遺伝子)」と「chromosome(染色体)」の合成語で、DNAに書き込まれた遺伝子でない部分も含めた全ての情報のこと。
DNAは物質の名前であるが、ゲノムは情報という概念である。

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