梵天耳かきとは
耳かきの匙(さじ)の反対側につけられた白いフワフワした羽毛を「梵天」といい、梵天がついた耳かきを「梵天耳かき」と呼びます。
梵天はカモやアヒルなどの水鳥の羽毛を束ねて接着したもので、耳掃除の仕上げに、耳の穴に差し入れ、細かい垢を拭うために使われます。
梵天とは
梵天は古代インドのヒンドゥー教で、世界の創造主や宇宙の原理を神格化したものを意味し、仏教では守護神の一神を「梵天」と呼びます。
しかし、耳かきについている白いフワフワした羽毛が、この梵天に直接関係しているわけではありません。
大きくて丸い物に「梵天」と名付けられるようになり、その名付けられたものに由来して、耳かきの白いフワフワを「梵天」と呼ぶようになったのです。
梵天耳かきの由来となったもの
梵天耳かきの「梵天」の由来には諸説ありますが、最も有力とされているのは修験者が着用する梵天袈裟(ぼんてんげさ)です。
梵天袈裟には綿帽子状のふわっとした房が左右に2つずつあり、形状・材質・肌触りなどが似ていることから、耳かきのフワフワした白い羽毛も「梵天」と呼ぶようになったというものです。
このほか、棒の先に白布を取りつけた祈祷に用いる大形の御幣の「梵天」とからという説や、延縄や刺し網などの漁業で所在を示す浮標の「梵天」からといった説もありますが、形状こそ似ていますが、材質や肌触りは全く異なります。