「納豆に生卵は食べ合わせが悪い」は大袈裟!

納豆に生卵をかけて食べる人は多いと思います。しかし、納豆と卵の食べ合わせは悪く、美肌効果のあるビオチンという栄養素を逃すともいわれています。
この情報に嘘はないのですが、ビオチンの特徴を知ると大袈裟な情報だと気づきます。

納豆と生卵の食べ合わせがダメな理由

納豆にはさまざまな栄養素が含まれていますが、そのひとつに「ビオチン」というビタミンB群の一種が含まれています。
ビオチンを摂取することで、髪や爪、肌などを健康に保ち、新陳代謝をアップ、美肌効果、アンチエイジング効果があるといわれています。

一方の生卵にはタンパク質の一種である「アビジン」が含まれています。
アビジンはビオチンと結合する性質があり、結合することでビオチンの吸収が妨げられてしまいます。
このアビジンは卵の中でも卵黄には含まれず、卵白のみに含まれる成分です。
そのため、納豆と生卵は相性が悪く、納豆に生卵を混ぜたい人は、卵白を取り除いて卵黄だけにしましょうといわれているのです。

ここまでの情報に嘘はありませんが、問題はビオチンへの期待度が高すぎるという点です。納豆と生卵は食べ合わせが悪いと言い切れるほどでのものではありません。
また、納豆のビオチン含有量は100g当たり18.2μgと特別多い値ではありませんが、生の全卵は100g当たり25.4 μg、卵黄では100g当たり65.0 μgですから、納豆と生の卵白の食べ合わせというよりも、生の全卵を食べても卵白のアビジンに邪魔されてビオチンを摂取できないので、ビオチンの摂取が目的なら卵黄のみにするという話から始まったように思えます。

ちなみに、アビジンがビオチンの吸収を阻害するのは生の時で、卵白を加熱すればアビジンの働きが弱まるため、ビオチンの吸収は阻害されにくくなります。

ビオチンは多く摂取しても意味がない

ビオチンは納豆に限らず多くの食品に含まれているので、通常の食事をとっていれば不足することはありません。さらに、腸内細菌によっても合成もされるため、ビオチンが不足することは滅多にないのです。

それでも美肌効果やアンチエイジング効果があるから多くとりたい。だから納豆を食べるときは卵白を取り除いた方が良い。と思うかもしれませんが、ビオチンを多くとればとるほど、効果がアップするわけではありません。
なぜなら、ビオチンは水溶性ビタミンなので、過剰摂取した場合は吸収されずに排泄されてしまうからです。
ビオチンが不足する可能性が高い人は、納豆を食べる時に卵白と混ぜるのはやめた方が良いですが、不足していない人は好きな食べ方で食べれば良いのです。

納豆と生の卵白を混ぜない方が良い人

ビオチンが不足する可能性が高い人は、納豆と生の卵白を混ぜない方が良いのですが、それはどのような人でしょうか。

生の卵白を大量に長期間食べ続けると、ビオチンが吸収されず不足しやすくなりますから、納豆と卵白を混ぜるのは避けた方が良いです。ただ、このような人は納豆との関係以前の話で、まず大量に摂取している卵白の量を減らさなければいけません。

つぎに、抗生物質を長期服用している人です。
抗生物質を長期服用するとビオチンの吸収が阻害され、不足しやすくなります。
このような人は、生の卵白を食べるのは避け、納豆にも混ぜない方が良いでしょう。

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