けなすの「なす」は、行為をする意味の「為す(なす)」と思われる。
けなすの「け」は、ことさら悪い点を取り上げ、良い点を無視するところから、「消す」や「蹴る」の意味。
変わっていることや、非難すべきであることを表す「けし(怪し・異し)」などが考えられる。
「貶す」の「貶」は、財貨を表す「貝」と、とぼしいを意味する「乏」からなる。
これらを合わせた「貶」は、ものを減損することを表すところから、位を落とす意味の「貶位」、罰して退ける意味の「貶棄」、けなす意味の「貶議」などにも派生し、日本では「おとしめる」や「けなす」の漢字に「貶」が使われるようになった。