チャリは「チャリンコ」の略で、1960〜1970年代にかけ、東京の下町から東海地方を除く全国に普及した(東海地方では自転車を「ケッタ」と呼ぶ)。
チャリンコは、自転車のハンドルに付いたベルの「チャリンチャリン」という音に由来する説が有力である。
この時代は、自転車の進行方向に歩いている人がいると、すぐに「チャリンチャリン」とベルを鳴らし、注意を促していた。
現代では「ママチャリ」や「原チャリ」などの語にも使う「チャリ」だが、元々は子供を中心に広まった言葉なので、ベルの音を聞いた子供たちが「チャリンコ」と呼び始め、略して「チャリ」になるのは自然なことである。
その他、韓国語で「自転車」を意味する「チャジョンゴ(자전거)」に由来する説もあるが、この時代に日常使うものを韓国語で呼ぶことや、「チャジョンゴ」から「チャリンコ」への音変化は、非常に考え難い。
また、盗人仲間の隠語で「子供のスリ」を意味する「ちゃりんこ」を語源とする説もあるが、子供のスリと自転車に共通点がないため、この説も考え難い。