オトギリソウの語源・由来

オトギリソウは、漢字で「弟切草」と書くように、弟を切る(斬る)伝説に由来するといわれる。
その伝説は、平安中期の頃、晴頼という鷹匠がおり、タカが傷つくと薬草で治していた。
人々が薬草の名前をたずねても、決して名前を言わなかったが、弟がその名を漏らしてしまった。
晴頼は怒って弟を斬殺し、その時の血しぶきが葉や花びらに黒点として残り、この草に「オトギリソウ(弟切草)」と名付けられたというものである。

しかし、日本で伝説に由来する説は眉唾なものが多く、真偽は定かではない。
この伝説によって「オトギリソウ」の名が付いたのであれば、それ以前の呼称もあるはずだが、弟が漏らした薬草の名は出てこないのである。

オトギリソウは花の寿命が1日のため、「ヒトヒギリ(一日限り)」から「フイトギリ」「ヲトギリ」と訛って「オトギリソウ」の名が付き、「弟切草」の漢字を当てた。
民間薬として止血や傷の鎮痛に使われていたことから、「弟切草」の漢字名と合わせて、上記の伝説が作られたと考える方が自然であろう。

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