ニッカポッカの語源・由来

ニッカポッカは、英語「knickerbockers」からの外来語である。
「knickerbockers」は、『ニューヨークの歴史』の著者ワシントン・アーヴィングのペンネーム「Diedrich Knickerbocker(ディートリヒ・ニッカーボッカー)」に由来する。
この本には、ニューヨークに移民したオランダ人がはいていた半ズボンの挿絵があり、その半ズボンが「knickerbockers(ニッカーボッカーズ)」と呼ばれるようになった。
このズボンは裾が邪魔にならないため、野球・ゴルフ・乗馬などのスポーツウェアとして用いられ、日本でも当初はその用途だったが、次第に鳶職の作業着として用いられることが多くなった。
「knickerbockers」なので本来は「ニッカーボッカーズ」が正しいが、「ニッカポッカ」と呼ぶことが多く、「ニッカー」や「ニッカズボン」など派生した呼び名も多い。
「ニッカーボッカーズ」が徐々に「ニッカポッカ」に変化したと言うよりも、昔から「ニッカポッカ」を中心に様々な名前で呼ばれていたようで、文献で見られる一番古い使用例は、サトウハチロー『浅草』(1931年)にある「定九郎はニッカポッカをはかして、勘平もゴルフパンツでどうだらう」である。
井伏鱒二の『多甚古村補遺』(1940年)では「ニッカボッカ」、井上靖の『闘牛』(1949年)では「ニッカーボッカー」の例が見られる。

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