体たらくの語源・由来

今日では「なんという体たらくだ」という形で、軽蔑したり自嘲をこめて好ましくない状態をいう言葉となっているが、これは近世以降の用法で、本来は悪い意味を含んだ言葉ではなかった。
体たらくの「体」は「様子」の意味で、「てい」と読むのは漢音。
「たらく」は、断定の助動詞「たり」が名詞化した語。
「体」+「たらく」の「体たらく」は、「そのような状態である」という意味である。
「体たらく」が悪い状態を表す言葉として受け取られるようになったのは、悪い状態に対して使うことが多かったことからである。
「様子」を意味する言葉が、悪い状態を表すようになったのは「体たらく」に限ったことではなく、「さま(様)」が音変化した「ざま」も同じように「なんというざまだ」と使われている。
また、物事の状態を意味する「ありさま(有様)」も、多くの場合は悪い状態をいう際に用いられている。

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