宇宙の語源・由来

宇宙の「宇」は元々「軒」や「屋根」を表した漢字で、四方に葺き下ろした部分のことから、上下四方で「空間」を意味する。
「宙」は「時」を意味する漢字である。
この二つを合わせた「宇宙」は、三次元空間(上下前後左右)と往古来今(過去・現在・未来)の全体を表す。
日本で「宇宙」の語が見られるようになるのは『日本書紀』からだが、この頃は古訓で「アメノシタ」と読まれ、「地上」「天下」「国家」などを表した。
また、時空間のすべてを表す言葉には、仏教語の「世界」があったことから、中古で「宇宙」の語はあまり用いられていなかった。
「宇宙」に「ウチウ(うちゅう)」の読みが見られるようになるのは中世からで、「ウチウ」のほか「オホゾラ(おおぞら)」や「アメガシタ」などの訓も付けられている。
日本で「宇宙論」が論じられるようになったのは幕末からで、本格的には明治期に入ってからである。

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