おもては「面(おもて)」と同源で、時代劇などで「おもてを上げい」という時の「おもて」は「面」のことである。
元々は、「おも」のみで「顔面」「顔」を意味し、「おも」の付く語には、顔が長めなことを表す「面長(おもなが)」、顔つき・顔立ちなどを表す「面差し(おもざし)」などがある。
おもての「て」は、「方向」「方面」を意味する接尾語で、「おもて」といった場合、直接「顔」をささず「正面の方」というやわらげた表現になる。
のちに物の表面をいうようになり、さらに、物の面に限らず、二つの物事のうち主だった方を意味するようにもなった。
漢字の「表」は、「衣」と「毛」からなる会意文字で、毛皮の衣をおもてに出して着ることを示し、外側に浮き出るという意味を含む。