漢語の「結構」は、建造物の構造や文章の構成など、組み立てや構成を意味する名詞である。
これが日本に入り、「計画」「目論見」「支度」「準備」を意味する名詞として用いられるようになった。
さらに、その準備や計画に対して「立派だ」「よろしい」と評価する用法が生まれ、結構は「丁寧だ」「人柄が良い」といった意味でも使われるようになった。
断りの言葉として用いる「もう結構です」は、近代以降に見られる表現で、「十分満足しているから、これ以上必要ない」といったニュアンスから生まれたもの。
「結構おいしい」「結構楽しい」などと用いる副詞は、「十分とは言えないが、思っていたよりも良い(満足できる)」の意味からである。