身体を水で洗い清めることから、禊は「ミソソギ(身滌・身濯)」の約と考えられる。
「ソソギ」は「すすぐ(そそぐ)」の連用形が名詞化した語で、水で洗い清める意味から、「汚名をそそぐ(すすぐ)」など罪や穢れを清める意味でも使われる。
その他、禊の語源には「ミ」が「水」の意味、「ソギ」は「削ぐ(そぐ)」とする説もある。
禊の起源は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、亡き妻の伊弉冉(いざなみ)を黄泉の国に訪ねた後、筑紫の日向で身体についた穢れを祓い清めるたものといわれ、『記紀神話』に見られる。
禊が略式化されたものは多く、寺社で参拝前に手を清めることや、雛の節句で人形を流す行事、潮干狩りなどが、禊の略式化されたものである。
また、塩で清める儀式は、海水で行った禊の名残といわれる。
現代では、スキャンダルが発覚した政治家が立候補する選挙を「みそぎ選挙」と言い、その政治家が選挙に勝った際には「みそぎは済んだ」と言うように、身体を水で清める以外にも「禊」は用いられる。