アンコウの語源には、その色から「アカヲ(赤魚)」が転じたとする説。
アンコウは肉食で歯が発達し大きなアゴをもつことから、「アゴ(顎)」が転じたとする説。
上記二説の語形変化、「アカヲ(赤魚)」が「アコウ」、「アゴ(顎)」が「アンゴ」が相まったとする説。
じっとして動かないことから、一定期間一ヶ所にこもって修行する意味の仏教語「あんご(安居)」が転じてアンコウになったなど、多くの説がある。
しかし、室町時代の辞書『文明本節用集』では「足の有る魚、心気の良薬」。江戸時代の『日葡辞書』では「川魚の一種で、足のある魚」と説明されている。
「足」「川」「薬」の三点から、元々、「アンコウ」と呼ばれていたのは「サンショウウオ」であったとの見方もある。
また、千葉県の方言でヒキガエルを「アンコ」「アンゴー」と呼ぶため、昔はカエルと混同されていたともいわれる。
このように、元々何を指して「アンコウ」と呼んでいたのか定かでないため、語源の特定も難しい。