「呉越同舟」の由来と意味 – 危機における敵同士の協力

「呉越同舟」は、中国の『孫子』第十一篇「九地」に由来する四字熟語です。この熟語は、「呉」と「越」という春秋時代の中国の国名で敵同士であったものが、同じ舟に乗り合わせた際に困難に直面すれば互いに協力し合う様子から生まれました。

春秋時代、呉と越の国は長らく敵対関係にありましたが、『孫子』には、同じ舟に乗り合わせた場合の物語が描かれています。物事が困難になるとき、敵対関係にある者たちでも共通の危機に直面すれば協力し合い、困難を乗り越えようとする姿勢が描かれています。この故事に由来して、「呉越同舟」は敵対する者同士が共通の目的や困難に直面した際に協力する様子を指す言葉として用いられています。

現代では、仲の悪い者同士が共通の問題に直面した場合や危機に見舞われた際にも、「呉越同舟」と表現され、協力や連携の重要性を示す言葉となっています。

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