ミミズクの歴史仮名は「ミミヅク」で、語源には「耳付く」や「耳突く」の意味など、「耳」を主にした説が多い。
しかし、古名は「ツク(ヅク)」なので、これに特徴的な「ミミ(耳)」が加わり、「ミミズク」になったと考えるのが妥当である。
ミミズクの古名「ツク」は、「ツク(角耳)」「ツケ(角毛)」など、耳のような羽角が語源といわれ、これらの説でほぼ間違いない。
ただし、フクロウと区別していなかった時代があり、「フクロウ」を指す方言には「ヨヅク」や「フルツク」など、「ツク」と関連する名前が見られる。
「ヨヅク」は「夜に鳴く」、「フルツク」が「フルフルと鳴く」の意味とすれば、「ツク」は「鳴く」の意味で、「ミミズク」も含め「フクロウ」を表していたものが、後に「ミミズク」のみを表すようになったとも考えられる。
漢字「木菟(木兎)」の「菟(兎)」は「うさぎ」を表し、「うさぎのような耳を持つ木に棲むもの」の意味からの当て字である。
古名の「ツク」に「木菟」が当てられていたため、「ミミズク」は「耳木菟」とも表記する。
「角鴟」の「鴟」は、タカ科の「トビ(鳶)」を表す漢字で、フクロウの異名を「鴟梟(シキョウ)」と言うように、フクロウの仲間はトビにたとえられることから、「角のあるトビ」の意味で「角鴟」となった。