「猫車」の語源にはいくつかの諸説があります。
1.「猫足場」という建築用語で狭い足場を指し、「猫車」はその狭い足場を通ることができる車として呼ばれたとする説。
2.漆喰を運ぶ際に使用される「練り子」が略されて「ねこ車」となったとする説。
3.車を逆さに伏せた際に、丸まった猫の背中に似ていることから「猫車」と呼ばれるようになったとする説。
4.猫のようにゴロゴロと音をたてることから、「猫車」と呼ばれるようになったとする説。
これらの中で最も有力とされているのは、「1」の「猫足場」の説です。猫車が通る足場として「猫足場」が呼ばれ、それが車の名前となったと考えられています。英語でも狭い通路を「catwalk」と表現するように、狭い場所を「猫が通る所」という表現は自然であり、「猫足場」が先に存在していた可能性が高いと言えます。
ただし、一輪車だけでなく、二輪の手押し車も「猫車」と呼ばれる例があります。二輪の手押し車が先か同時期であった場合、猫足場の説は疑問視されるため、現時点では猫車の語源は未詳とされています。