大童は、髪の乱れの形容から生まれた言葉である。
「童(わらわ)」は元服前の子供(3歳から10歳くらい)のことであるが、子供が髪を束ねないで垂らしているその髪型もいう。
大人はきちんと髪を結っているが、戦場で兜を脱ぎ捨てると髪が乱れ、童のようになることから、髪を乱して奮戦するさまを「大きな童」で「大童」と言うようになり、一生懸命になって行うさまも「大童」と言うようになった。
「童」の語は「乱れる」の意味に由来するため、髪型に関係なく、取り乱して大慌てすることから「大童」になったとも考えられるが、『平治物語』の「冑も落ちて、おほわらわになり給ふ」など、髪の乱れをいったものが多いことから、子供のように乱れた髪に由来すると考えた方が良いであろう。