ニスは、英語の「varnish」、オランダ語の「vernis」からの外来語で、最初に使われたギリシャの地名に由来するといわれる。
日本では本来の発音に近い「ワニス」の呼称が用いられ、古来からある「漆(うるし)」に対するものとして、漢字では「仮漆」の字が当てられた。
やがて、「ワニス」の「ワ」を省略して「ニス」と呼ぶことが多くなったが、これも「漆」に対するものという認識が大きく影響している。
その認識とは、「ワニス」という音から「漆」を「和ニス」と呼び、本来の「ワニス」は「洋ニス」と呼んで区別されるようになったことである。
「ワニス」と言うと、「和ニス(漆)」と「ワニス(洋ニス)」の二通りの解釈ができることから、日本では「ワ」を省略した「ニス」の形で呼ばれるようになった。