善哉は元仏教語で、「素晴らしい」を意味するサンスクリット語「sadhu」の漢訳。
仏典では、仏が弟子の言葉に賛成・賞賛の意を表す時に、「それで良い」「実に良い」といった意味で用いられる。
仏教語の「善哉」がおしるこを意味するようになった由来は、これを食べた僧があまりの美味しさに「善哉」と賞賛したためとされるが未詳。
一説には、ぜんざいを初めて食べた一休禅師が、「善哉此汁」と言ったことからともいわれる。
出雲大社の「神在祭」で振舞われた「神在餅(じんざいもち)」が、訛って「ぜんざい」になったという説もある。
出雲弁では「じんざい」が「ずんざい」のような発音で、他の地方の者には「ぜんざい」と聞こえるため、それが京都に伝わり賞賛の「善哉」と合わさったと考えられている。
神在餅が京都に伝わって「ぜんざい」になったことは定かでないが、神在餅とぜんざいの作り方が似ていることから、十分に考えられる説である。
「ぜんざい」と「おしるこ」の区別は近世後期に確立したもので、関東では餡に近く汁気が少なくいものを「ぜんざい」、汁気の多いものを「しるこ」と呼び、関西では汁気の少ないものは「亀山(かめやま)」、汁気があるもののうち、つぶし餡で作ったものを「ぜんざい」、漉し餡で作ったものを「しるこ」と呼ぶ。