かわいいの語源・由来

かわいいは、本来「不憫だ」「気の毒だ」といった意味を表す語であった。
その意味を受け継いでいる言葉には、「かわいそう」がある。
かわいいは「かはゆし(かわゆし)」の形で中古から見え、「かほはゆし(顔映ゆし)」→「かははゆし」→「かはゆし」と変化した語と考えられている。
「はゆし(映ゆし)」は、身体に変調をきたすような感情や事態を示す語である。
目を開けていられないことを「まばゆし(目ばゆし)」と言うように、「かほはゆし(顔映ゆし)」も「顔を向けていられないほどである」といった意味であった。
そこから、「気の毒で見ていられない」「不憫だ」の意味が派生した。
「かわいい(かはゆし)」は、中世後半から、正反対の「愛らしい」の意味に転じた。
その理由については明らかになっていないが、小さいものや弱い者に対して手を差し伸べたくなる感情と、気の毒で見ていられないという感情は近いものがあり、「気の毒だから助けてあげたい」から「愛らしい」へと意味が転じたと思われる。
なお、漢字の「可愛い」は当て字である。

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