うるさいの語源は、「心」を意味する「うら」の母音交替形「うる」に、「狭い」を意味する形容詞「さし(狭し)」が付いた「うるさし」である。
うるさしは、何らかの刺激で心が乱れ、閉鎖状態になることを意味した。
うるさしと同系の語には、「うるせし(「さし」の母音交替形)」があるが、「立派だ」「優れている」「巧みである」という意味なので、「うるさし(うるさい)」と同源ではないとも言われる。
しかし、うるさいは「技芸がすぐれている」といった意味でも用いられ、細かいところまで気づくという点では意味が近いことから、同源と考えて間違いないであろう。
うるさいは、漢字で「五月蝿い」と当て字される。
五月の蝿と書くのは、陰暦5月頃に群がり騒ぐハエを「五月蝿(さばえ)」と言い、「騒く」「荒ぶる」にかかる枕詞には「五月蠅なす(五月蝿のようにの意)」があるように、陰暦5月頃のハエは特にうるさいことからである。