ひつまぶしの語源は、細かく刻んだうなぎの蒲焼をお櫃のご飯にまぶすことからである。
漢字で書くと「櫃まぶし」もしくは「櫃塗し」になるが、普通はひらがなで「ひつまぶし」と表記される。
「ひつまむし」とも呼ばれるため、京阪地方で「うなぎ」や「鰻飯」をいう「まむし」を語源とする説もあるが、名古屋周辺地域では「まぶす」を「まむす」とも言うことから、京阪地方の「まむし」は関係ないと思われる。
ひつまぶしの食べ方は、お櫃から茶碗に取り分け、一杯目はそのまま、二杯目にネギやわさびなどの薬味をのせ、三杯目にお茶もしくは出汁をかける食べ方が一般的。
明治時代から作られるようになったものだが、発祥については、まかない料理であったとする説。うなぎの皮は冬になると固くなるので、美味しく食べるための工夫であったとする説。大きなお櫃にうなぎをまぶして、お座敷で小分けして出したとする説がある。
ひつまぶし発祥の店についても、名古屋市熱田区の「あつた蓬莱軒」とする説と、名古屋市中区錦の「いば昇」とする説があり、「ひつまぶし」は1987年に「あつた蓬莱軒」が商標登録している。