てんやわんやは、「てんでん」と「わや」の合成語と考えられている。
「てんでん」は「手に手に」もしくは「手々」が転じ、「各自」「銘々」の意味になった語で、「各自が思い思いの行動をする」意味の「てんでんばらばら」に使われる。
「わや」は「無理」「無茶」を意味する関西方言で、「わや」が「わんや」となり、それに語調を合わせる形で「てんでん」が「てんや」となったと考えられる。
その他、「わんや」にはワイワイと騒ぐ意味の「ワヤワヤ」や、主に関西で「私」を意味する「わい」を語源とする説もある。
銘々がワヤワヤと騒いだり、我先に行こうと「わいやわいや」と叫ぶ姿は、てんやわんやとなった光景からも想像ができ、捨てがたい説である。
獅子文六の新聞小説『てんやわんや』(1948年12月~49年4月)によって流行した言葉だが、俗語としては江戸時代から見られる。