舞茸は、茎が分岐して多数の傘が重なり合い、全体が舞っているように見えることから付いた名前である。
他には、昔は「幻のきのこ」と呼ばれるほど希少価値があり、見つけた人が舞い上がって喜んだことから、「舞茸」と名付けられたとする説もある。
しかし、植物やキノコの名前は、見た目や味から付けられることが多く、人の行動が由来となる場合は、文献が残っているか、誰もが知る言い伝えになっているはずなので、この舞茸の説は考え難い。
『今昔物語集』には、京都の北山でキノコを食べたら、舞踊り笑いが止まらなくなった人が出たため、このキノコを「舞茸」と言うようになったという説話がある。
しかし、これは今日で言う「舞茸」ではなく、ワライタケなどの幻覚性キノコを指している。
そのため、これも舞茸の語源とは考えられていない。