「坊」は奈良時代・平安時代の都城制で区画された一部のことで、四面を大路に囲まれた一画をいった語である。
平安京で四町四方を「坊」と称したのも、この「坊」に由来する。
のちに、「坊」は大寺院に所属する小さな寺院をさすようになり、寺院内の一坊の主人・寺房の住職を「坊主」というようになり、室町時代以降、「一坊の主人」の意味が転じて、一般僧侶の俗称となった。
頭に毛がない人を「坊主」と呼ぶのは、僧の剃髪した頭と関連付けたもので、頭を丸めることを「坊主刈り」とも言う。
男の子を呼ぶのは、剃髪する習慣があったことに由来する。
釣りで一匹も釣れないことを「坊主」というのは、百人一首の「坊主めくり」で、僧の札をめくった者は持ち札を全部場に出し無くしてしまうことからとする説がある。
しかし、一匹も釣れないことを「おでこ」とも言うことから、餌が無くなることを毛が無いことにたとえたとも考えられる。