マニフェストは、英語「manifesto」からの外来語。
「manifesto」は、ラテン語で「手」を意味する「manus(mani)」と、「打つ」を意味する「fendere(fest)」が合わさった語。
「手で打つ」の意味から、「手で感じられるほど明らかな」という意味に派生し、「はっきり示す」という意味で用いられた。
英語で「明らかな」という意味の「manifest」も、同じ語源である。
政治的な宣言の意味で「マニフェスト」が使われるようになったのは、1848年、マルクス・エンゲルスが『共産党宣言』の中で「manifest(ドイツ語)」を用いたことに由来する。
ただし、世界に流通した「マニフェスト」は、「イタリア共産党の宣言」を指すイタリア語の「manifesto」からで、日本でも英語経由で「manifesto」を用いる。
やがて、イギリスの選挙で政党から公表される政策綱領を「マニフェスト」と呼び、「政策の数値目標」「実施期限」「財源」「方法」など、具体的な公約を表すようになった。
日本ではイギリスの総選挙を参考に北川正恭氏が提唱し、平成15年(2003年)に行われた統一地方選挙で候補者の多くがマニフェストを提示し、衆議院選挙でも各政党が「政権公約」として提示するようになった。