あこぎは、三重県津市の阿漕ヶ浦(あこぎがうら)にまつわる伝説や歌に由来する。
その伝説とは、阿漕ヶ浦は伊勢神宮に供える魚を獲るための禁漁域であったが、「阿漕の平次」と呼ばれる漁夫が繰り返し密漁を行い捕らえられたというもので、平安時代の類題和歌集『古今和歌六帖』の歌が有名である。
この伝説からさまざまな話が創作され、「阿漕ヶ浦」の名は世間に広まった。
室町時代の『源平盛衰記』では「あこぎ」を「度重なること」の比喩として使い、近世以降には「しつこいさま」の意味で使われるようになった。
この語が民間に広まるにつれ、「あこぎ」は強欲であくどいさまの意味に変化していった。