言葉の語源・由来

言葉の語源は、「言(こと)」+「端(は)」の複合語である。
古く、言語を表す語は「言(こと)」が一般的で、「ことば」という語は少なかった。
「言(こと)」には「事」と同じ意味があり、「言(こと)」は事実にもなり得る重い意味を持つようになった。
そこから、「言(こと)」に事実を伴なわない口先だけの軽い意味を持たせようとし、「端(は)」を加えて「ことば」になったと考えられる。

奈良時代の『万葉集』では「言葉」「言羽」「辞」の三種類の文字が使われ、「言羽」も軽い物言いを表現しているといえる。
平安時代の『古今和歌集』や『土佐日記』ではひらがなの「ことば」、『枕草子』では「詞」が使われ、室町時代の『徒然草』では「言葉」が使われている。
複数ある「ことば」の漢字の中で「言葉」が残った理由として、『古今和歌集』仮名序の「やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことの葉とぞなりける」でうまく表現されているとおり、「葉」はたくさんの意味で、豊かさを表すためと考えられる。
「言の葉」が多く用いられていくのに並行し、「ことば」にも「言の葉」の意味が含まれるようになり、「言葉」は言語を意味する最も一般的な語として定着した。

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