母の日は、1905年5月9日、アメリカのフィラデルフィアに住む少女アンナ・ジャービスが、母の死に遭遇したことで、生前に母を敬う機会を設けようと働きかけたことに由来する。
この働きかけが、やがてアメリカ全土に広まり、1914年には当時の大統領ウイルソンが、5月の第二日曜日を「母の日」と制定し、国民の祝日となった。
アンナの母親が好きだった白いカーネーションを祭壇に飾ったことから、母が健在であれば赤いカーネーション、亡くなっていれば白いカーネーションを胸に飾るようになり、カーネーションを贈る習慣へ変化していった。
この他、古代ローマ時代、神々の母リーアに感謝する春祭りからとする説や、17世紀のイギリスで、「復活祭(イースター)」の40日前の日曜日を「マザーズ・サンデー」とし、母親と過ごすために出稼ぎ労働者を里帰りさせていたことに由来する説もあるが、「母の日」と似たような行事があったと考えるのが妥当であろう。
日本では明治末期から行われていたようだが、それはほんの一部で、大正4年(1915年)に教会で行われてから少しずつ一般に広まり始め、全国的に母の日が広まったのは、昭和12年(1937年)に森永製菓が告知をしてからといわれる。
昭和初期から戦後しばらくの間は、当時の皇后の誕生日であった3月6日が「母の日」とされていた。