阿婆擦れの語源・由来

あばずれの「あば」は、「暴れ者」「暴くれ者」など、乱暴者の意味の「あば」から。
もしくは、軽率な者を意味する「あばけ者」の「あば」からで、「あば」に世間擦れする意味の「擦る」の連用形「擦れ」がついた語とされる。
また、浮ついた様子を意味する「淡(あわ)し」が重なった「あわあわし」が変化し、人に揉まれてずる賢くなった人を「あわすれる」と呼ぶようになり、「あばずれ」に変化したという説もあるが、言葉の意味が変化していく過程が非常に曖昧である。
現代では「あばずれ女」などと、女性を指すことが多いが、古くは男性にも用いられた語で、江戸末期の『浮世床』には、男性に対して「あばずれ」が用いられた例がある。

阿婆擦れの漢字「阿婆」は当て字で、中国では父母と同列以上にある婦人や老婆のことを言う。
中国での年老いている意味と、「あばずれ」の擦れている意味を重ね、当てられたものであろう。

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