「世話」とは、もともと「世間でよく言われる言いぐさ」や「世俗の人が用いる話し言葉」を指し、その語源は世間の人々の話に由来しています。この言葉は、転じて「日常的なもの」や「通俗的なもの」を指すようになり、「世話物」「世話場」といった表現が生まれました。江戸時代からは、「面倒を見る」の意味で頻繁に使用されるようになりました。
江戸末期の文献には、「だれがおまえはんの病気の世話をしますえ」という表現が見受けられますが、この「世話」は「せわしい」の「せわ」が下略されたものであり、「世話」は当て字とされています。江戸中期になると、形容動詞として「厄介なさま」「面倒なさま」を表すようになり、江戸末期には「世話が焼ける」といった句も見られるようになりました。
「世話」の変遷を通じて、その意味や用法が拡大し、現代では「お世話になる」「世話をする」といった表現が一般的に使われています。