「髭」「鬚」「髯」の違い

ひげを表す漢字には「髭」と「鬚」と「髯」がある。
単に「ひげ」といった場合は「髭」の漢字を使うが、口ひげ(口の上の毛)は「髭」、あごひげは「鬚」、ほおひげは「髯」と生えている場所によって使い分けられる。

髭・鬚・髯に共通する部首の髟(かみがしら)は、かみの毛を表す。
髭の「此」は、ぎざぎざとしてふぞろいな様で、髭は口の上(鼻の下)のふぞろいなひげ。
鬚の「須」の字は、元々、あごひげの垂れた老人を描いた象形文字であったが、のちに「彡(長い毛や沢山の毛)+頁(あたま)」で、柔らかいあごひげを表すようになった。
髯の「冉」は、柔らかいひげが左右に垂れた姿を描いた象形文字で、髯は柔らかいほおひげを表す。

英語では、口ひげが「a mustache(米)」「a moustache(英)」、あごひげが「a beard」、ほおひげが「whiskers」。
日本語の「ひげ」のように生えている場所による区別をせず、単に「ひげ」という時には、口ひげではなく、あごひげの「a beard」が使われる。
その他、「mustachios(大きな口ひげ)」や、「a goatee(やぎひげ)」という単語もある。

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