「タクシー」と「ハイヤー」の違い

タクシー(taxi)は、求めに応じて目的地まで旅客を運び、基本料金・走行距離・時間などから料金を取る営業用自動車。
ハイヤー(hire)は、英語では「賃貸」「雇用」を意味する言葉で、営業所から派遣する運転手つきの貸し切り乗用車のこと。

タクシーは駅前等のタクシー乗り場や、街中の流し、無線配車によって旅客を乗せるが、ハイヤーは完全予約制で流し営業をしない。

タクシーの料金体系は、基本的に時間・距離などによるメーター制で、乗車地から降車地までが対象であるのに対し、ハイヤーは営業所の車庫から出て車庫に戻るまで間が課金対象である。
ハイヤーはメーター制ではないため、タクシーメーターが無いイメージもあるが、道路運送法ではハイヤーもタクシーの一種という位置づけで、営業許可を取るためにはメーターが必要なため、メーターは旅客から見えない位置に設置されている。

移動手段のみで考えればタクシーよりも割高なハイヤーだが、ハイヤーは交通機関の中でも高い付加価値を持った個別輸送機関といわれるように、タクシーにはない車内での過ごしやすさ、格式がある。

タクシーが街中で旅客に目立つよう車体の色はさまざまであるのに対し、ハイヤーは黒塗りの高級車が多いが、関西・中部では黒塗りのタクシー(黒タク)が多い。
これは、タクシーの屋上灯を取り外し、メーターをカバーで覆うなどして、ハイヤーとしても利用できるよう合理的にしたもので、このようなタクシーは「セミハイヤー」は呼ばれる。

街中での流し営業よりも、電話で予約し配車されるハイヤー式のタクシーが多い田舎の場合は、タクシーとハイヤーが同一のこともある。
特に、北海道の高齢層や都市部以外の地域に住む人が、タクシーを「ハイヤー」と呼んでおり、北海道ではタクシー会社の名称に「ハイヤー」が入ったものも多い。

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