でんぶの語源・由来

でんぶは、元々「田夫」と書いたため、「でんぷ」ともいう。
田夫は「農夫」のほか、「田舎者」や「野暮」の意味でも用いられる語である。
魚をバラバラにする無骨さや、材料が大小不揃いな野暮ったさから、田舎風の粗野な食品の意味で「田夫」と称された。
やがて、乾燥した「麩」に似ていることから、でんぶは「田麩」と漢字表記されるようになった。

でんぶの原型となる食品は、江戸時代から作られており、「都春錦(としゆんきん)」と呼ばれていた。
都春錦は、田作り・昆布・山椒の樹皮・ごぼうなどに、古酒・醤油・塩・砂糖などで味を調え、煎ったケシの実をかけたものであった。
この都春錦が、干しダラなどを火で炙って肉をほぐした「ふくめ」や「ぼんぼり」という、室町時代から作られている料理と合わさり、簡略化されたものが現在の「でんぶ」である。

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