俄然の語源・由来

俄然はの「俄」は「にわか」の意味、「然」はそのような状態を表す。
室町時代の『文明本節用集』にも「俄然 ガゼン 急速義也」とあり、古くから、にわかなさまを意味していた。

2000年代前半から、「断然」や「とても」といった強調の意味で、「俄然」が誤用されるようになった。
このような誤用が生じたのは、意味を知らずに「俄然やる気が出てきた」と聞いた場合、「突然」の意味にも「とても」の意味にも解釈できること。
「ガ」や「ゼ」の音が、強調表現に適していること。
「俄」が「我」と似ており、感情を表す言葉に感じることや、「断然」の「然」からの類推など、間違えやすい要素が多いためである。

昭和初期にも、「俄然」が「非常に」という強調の意味で使われ、流行語となっていた。
これは、徳川夢声が東洋キネマの楽屋で、従業員にした演説から広まったものである。
この流行はすぐに終わり、戦後には使われなくなっているため、2000年代からの誤用と直接の繋がりはない。

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