しつこいは、とりついて離れない意味の「執(しつ)」に、形容詞をつくる接尾語「こい」、もしくは「濃い」が付いた語と考えられている。
「湿こい」や「湿濃い」の漢字表記も見られるが、他に「執拗い」や「執念深い」を「しつこい」と読ませた例もあり、基本的にはひらがな表記されているため、一部の表記だけを取り上げて語源を求めることは適切ではなく、これらはすべて当て字と考えた方が良い。
明治時代に「執拗」を「しつくどい」と読ませた例があるため、「しつくどい」が変化したとする説もある。
しかし、明治時代に生まれた語が、遅くとも室町時代には使われていた「しつこい」の語源となるはずがない。
しつこいの語源には他に、作りつけることを意味する「しつけ(仕付け・躾)」に、「濃い」が付いた語という説もあるが、近い音の言葉を探して結びつけただけと思われる。