料理中に出てくるアクとは?取り除かないといけないの?

料理をしていると必要になるアク取りですが、アクとはそもそも何でできているのでしょうか。
アクの多いとされる野菜の下処理方法と併せて、アクの正体について解説します。

アクには2種類ある

アクは肉から出るものと、野菜から出るものとがあり、それぞれで成分が異なります。
肉から出るものはタンパク質やアミノ酸、血液からできており、加熱することで塊や茶色い泡となって出てきます。取り除かないと独特のニオイや味が料理に移ったり、スープを濁らせたりしてしまいます。
肉のアクは水に溶けるものが多いため、煮込んでいる最中に蓋をすると料理にアクが溶けやすくなります。蓋をする場合はアクを取り除いてからにしましょう。

一方、野菜から出るアクは、ホモゲンチジン酸やシュウ酸、ポリフェノール類といった、食べるとえぐみを感じる成分によるものです。
これらは植物が動物に食べられないように身を守るために持つ成分で、植物の細胞膜内に存在します。そのため成分自体が水溶性でも、水に漬けるだけでは除去できないものもあり、加熱したり別の物質の力を借りたりする必要があることもあります。

野菜のアクの取り方

ごぼう、じゃがいも、なす

切った後水にさらすことで、繊維の中にあるアクを取り除けます。

ワラビ、ゼンマイなどの山菜

アルカリ性の重曹と一緒に茹でて柔らかくし、アクを抜きます。

タケノコ

米のとぎ汁や米ぬかなどと一緒に茹でて柔らかくします。

ほうれん草、こんにゃく

お湯で茹でて加熱することでアクが抜けます。しかしほうれん草は茹ですぎると味や食感が損なわれるため、注意しましょう。

アクは取り除いた方が良い

肉から出るアクは風味を損なうものの、人体に害があるわけではありません。また、ごぼうやなすなどの苦みの元であるポリフェノール類も、悪影響のある成分ではないため食べることができます。
しかし、ほうれん草やタケノコのシュウ酸はたくさん摂取すると、結石の原因になることもあります。山菜類に含まれるアクも、プタキロサイドをはじめとした天然毒の成分なので、取り除く必要があります。
アク取りの必要性はケースバイケースと言えますが、味や健康の両面を見ても、手間をかけてアク取りをする価値は十分あるといえます。

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