萌えの語源には、NHK教育テレビの『天才てれびくん』で放送されたアニメ『恐竜惑星』に登場するキャラクターの名前「萌」に由来する説。
『美少女戦士セーラームーン』のキャラクター名「土萠(ともえ)ほたる」の「萠」 から「萌え」になったとする説。
雑誌『なかよし』の連載漫画『太陽にスマッシュ!』の主人公「高津萌」のファンが、「萌ちゃん燃え燃え」としていたものが「萌え萌え」になったとする説。
その他のキャラクターや声優の名前からなど諸説あるが、これらの説は「萌え」という語が成立した過程に過ぎないと考えられている。
また、昔は「もえる」の変換で「萌える」が一番目に表示されるソフトもあったことから、「燃える」の誤変換で「萌え」になったとする説もある。
しかし、上記のような過程があったとしても単なる誤変換から普及したとは思えず、単純に「燃える」とは異なる感情を表現するため、「萌え」が用いられたと考えるのが妥当で、感情表現の言葉であることや、成立の仕方・背景などから考え、一つの事象から成った言葉とみること自体が語源を追求する上で不自然である。
『恐竜惑星』のキャラクターの名前は「鷺沢萌」ではなく「結城萌」であるなど、語源とは直接関係ないことまで萌えの語源については他の言葉に比べ様々な検証をされているが、これはオタク用語から発したことや、「自分だけが知っている」というオタク特有の無意味なステイタス意識にあると言えよう。
「萌え」という語は、1993~95年頃、現在のインターネットの前身となる「パソコン通信」から普及し、オタクの隠語として多く用いられ、2000年頃より「萌え」の語は社会的にも認知されはじめた。
以降、インターネットの急速な普及したことや、「萌えビジネス」と言われるようにオタクを相手にしたビジネスは市場が活発なこと、一般人とオタクの境界線が狭まったことなどから、社会的にもオタクが一般人と同じであるかのような錯覚に陥り、同時に「萌え」の語も一般化し、2005年には流行語大賞として選ばれるまでになった。