彼岸は、サンスクリット語「paramita(波羅蜜多)」の漢訳「到彼岸」の略語。
本来は、煩悩に苦しむ現実のこの世を意味する此方の岸「此岸」に対し、修行によって迷いを脱し、此岸を渡りきった悟りの境地を意味する彼方の岸「彼岸」であった。
彼岸(極楽浄土)は、西方の遥か彼方にあると考えられていた。
春分と秋分には、太陽が真東から昇り真西に沈むので、沈む太陽を礼拝し彼岸を想い、極楽浄土に生まれ変わることを願ったのが始まりである。
中国から伝来後、日本では独自の習俗が仏教と結びつき、祖先を祀り、墓参りなどが行われる仏事へと変化した。
俳句で「彼岸」と言えば「春の彼岸」を指し、季語は「春」になるため、秋の彼岸を季語としたい場合は「秋彼岸」を用いる。