たかをくくるの「たか」は、「生産高」「残高」など物の数量や金額を見積もった時の合計額のことで、数量の程度を表す「高」である。
「くくる」は「まとめる」「物事に区切りをつける」の意味で、この程度(高)だろうとまとめる(括る)ところから、「物事のありさまをあらかじめはかる」「予想する」を意味し、安易に予測したり、大したことはないと侮ることを「たかをくくる」と言うようになった。
「たかをくくる」に、大したことはないと侮る意味が含まれるようになったのは、戦いの際に勝敗の予測するため、相手の領地の「石高」を計算したことからといわれる。
数量を表す「高」から生じた語には、「たかが知れる」や「たかだか」もある。
「くくる」が「予想する」の意味で使われた例は、洒落本『妓情返夢解』(1802年)「まだ海の物とも川の物共わからぬにばかばかしい、さきをくくって泣事があるものか」に見られる。