ゴミは、主に農家で「木の葉」を表した言葉で、各地の方言にも「木の葉」を指す言葉として残る。
長野県には、木の葉を「ゴミ」、落ち松葉を「マツゴミ」と呼ぶところがある。
愛知方言では落ち松葉を「ゴ」と呼んだり、京都では「ゴを掻く」といった表現もある。
ゴミが木の葉以外の意味にも使われ始めたため、「ゴ」と呼ばれるようになったのか、元々ゴミは「ゴ」と呼ばれており、「ゴ」の「実」という意味で「ゴミ」となったのか定かでない。
鎌倉前期の『平家物語』には「水田のごみ深かりける畔(あぜ)の上に」とあり、ドブなどに溜まる泥を指す言葉として使われている。
そのため、はじめはドブに溜まるものとして、「木の葉」を意味していたのではないかと推測される。
ゴミが「塵(ちり)」や「土ぼこり」の意味になったのは近世以降で、不要物であるため、その頃から「取るに足りないもの」「役に立たないもの」の意味でも「ゴミ」の語は使われはじめた。