手をこまねくの語源・由来

手をこまねくの「こまねく」は、「こまぬく」が音変化した語で、漢字ではどちらも「拱く」と表記する。
「こまぬく」は、両手の指を胸の前で組んで挨拶する中国の敬礼の一で、腕組みをするという意味もある。
傍観する際には腕組みをすることが多いことから、手をこまねく(こまぬく)は「何もしないでいる」「何もできないでいる」の意味で使われるようになった。

文化庁が発表した「国語に関する世論調査」では、手をこまねくを「準備して待ち構える」の意味と誤解している人が、「傍観している」と認識している人よりも多く、その数は年々増加している。
このような誤用は、言葉の由来を知れば正しい意味を理解できることも多いが、腕を組む姿は待ち構える印象もあるため、手をこまねくに関しては、語源で誤用を減らすことは難しい。

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