文字通り、遠慮は遠くを慮る(おもんぱかる)こと、遠い将来のことまでよく考えることが本来の意味であった。
その意味で「遠慮」が使われている言葉には、遠い将来のことを考えず目先のことばかり考えていると、近いうちに心配事が起きることを意味する慣用句「遠慮無ければ近憂あり」や、遠い将来のことまで考えて計画を立てることを意味する四字熟語「深謀遠慮」がある。
遠い将来のことをよく考えることは、すぐに行動をとらないことでもあるため、江戸時代頃から態度を控えめにすることを表すようになり、現代では言動を控えることや辞退する意味で「遠慮」が使われている。